生活保護受給者の葬儀について
お葬式はしたいけれど、どうしても経済的な理由で葬儀費用が払えない場合、生活保護法に基づいた『葬祭扶助制度』を活用する方法があります。
ただし、亡くなった方が生活保護を受けていても、葬儀を執り行う遺族(故人の子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹)に生活力があり、生活保護を受けていない場合は適用されません。
ここでは、申請するにあたっての注意点や支給額について詳しくご説明させていただきます。
生活保護法 第18条[葬祭扶助]
【1】葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、下に掲げる事項の範囲内において行なわれる。
1.検案
2.死体の運搬
3.火葬又は埋葬
4.納骨その他葬祭のために必要なもの
【2】以下に掲げる場合において、その葬祭を行なう者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行なうことができる。
1.被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行なう扶養義務者がないとき。
2.死者に対しその葬祭を行なう扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行なうに必要な費用を満たすことができないとき。
葬祭扶助の費用は20万円前後
生活保護の葬祭扶助で支給される金額は
2.死体の運搬
3.火葬又は埋葬
4.納骨その他葬祭のために必要なもの
と定めており、いずれの自治体も適用条件は厳しく、満額支給された場合でも20万円前後です。
また平成28年度の葬祭扶助の基準額は下記のとおりです。
大人 | 小人 |
|
1級地 2級地 | 206,000円以内 | 164,800円以内 |
3級地 | 180,300円以内 | 144,200円以内 |
少ない金額の中で葬儀を行わなければならないため、葬儀内容は非常にシンプルなものとなります。
この予算内で執り行うことのできる葬儀は『火葬式』や『直葬(ちょくそう)』と呼ばれ、僧侶がつかず、お通夜・告別式もない必要最低限な形式です。
葬祭扶助の申請を行うには
葬祭扶助を受けるためには書類の申請が必要になります。基本的には、健康上の理由などで申請が難しい場合を除いて、申請者本人、すなわち喪主や施主にあたる方が申請を行います。
また、葬儀社に手続きを代行してもらうことも可能です。申請者の住民票がある自治体、または生活保護の被保護者が保護費を受給していた自治体の福祉事務所の福祉係で申請します。
なお、支給については現金支給となります。
葬祭扶助の申請書類に記載する内容について
申請にあたっては基本的に本人が行ないます。健康上の理由等で、本人の申請が困難な場合は代理人をたてることが出来ます。
・故人について(氏名、生年月日、死亡年月日、葬祭執行人との関係、亡くなったときの住所または居住地)
・葬祭で必要となる金額
・遺留の金品の状況(扶養義務者がいない場合)
また、各葬儀社で代行して手続きを行ってもらう場合は、次の書類が必要になります。
・請求書
・葬儀執行人の委任状
・生活保護変更届け
・執行人の印鑑(認印可)
《葬儀社が申請を行う場合》申請から葬儀終了までの流れ
※生活保護受給者が亡くなった場合
まずは、民生委員やケースワーカー、あるいは役所の福祉係に相談するのがベストです。死亡診断書など、死亡が確認できる書類を用意しておくとスムーズです。
葬祭扶助の申請は、必ず『葬儀前』に行わなければなりません。 葬儀社に依頼する場合は「葬祭扶助制度を利用して葬儀を行いたい」と伝えましょう。
搬送→安置→納棺→火葬→収骨の流れで葬儀を行います。
基本的に、施主となる方を介さずに、福祉事務所から葬儀社へと、直接支払われます。
注意点
故人に葬儀を行ってくれる扶養義務者がおらず、遺族の生活面が経済的に難しく故人の葬祭を行えない場合に『葬祭扶助制度』が適用されます。無理をして集めた資金であっても、支払い能力があると判断されてしまいますので、まずは民生委員やケースワーカー、あるいは役所の福祉係に相談しましょう。
申請者と故人の住民票の管轄が異なる場合は、原則として申請者の住民票がある自治体で申請を行います。しかし、自治体によって支給額が異なる場合があるため、故人の住民票がある自治体にも確認をすると良いでしょう。
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